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2019年05月14日

【土壌水分計・土壌水分センサ】種類

クロップナビ

最近問い合わせが多いので、当事業部の部長に土壌水分計の種類について教えてもらいました。
何かのご参考になれば。

土壌水分計の種類は大きく分けて4種類


土壌水分計は土中に含まれる水分の量を計測する機器です。
世の中で販売されている土壌水分計は、種類も価格も、測定方法もかなり様々です。
クロップナビにはロガーで記録させるタイプのセンサはすべて接続可能ですので、用途に合わせてご使用いただければと思います。

1.重量方式

土壌水分量を測定する最も確実な方法は、実際に土を採取して重さを測定し、105~110℃のオーブンで重さが変わらなくなるまで、通常1~2日程度乾燥させた後の重さを測定します。
しかし、いちいち土壌を採取するのは大変です。
また、土壌を採取するときに根を傷つけてしまったり、土壌の環境が変わってしまうリスクもあります。
そこで、土壌水分を測定するセンサーが開発されました。

土壌水分量を測定するセンサー

土壌は主に、水・空気・土粒子から構成されますが、水の比誘電率が80程度なのに対し、空気は1、土粒子は2~5程度と圧倒的に小さいため、水の割合で土壌全体の比誘電率が決まってきます。
そのため、誘電特性を測定することで、土壌の密度や鉱物組成が多少変わっても、土壌水分量と誘電特性の関係が変化せず、頻繁に値を補正することなく、正確な土壌水分量が計測できるようになりました。
このタイプのセンサーは、誘電特性をどう測定するかにより、いくつかのタイプに分けられます。

2.pFメータ(テンシオメータ)

テンシオメーター法は、ポーラスカップと呼ばれる素焼きのカップを土中に埋めて計測を行う方法です。
テンシオメーター内には水を満たしておき、周辺の土壌が乾燥していると容器内の水が外部に吸引されて容器内が負圧になります。
この吸引圧から土壌水分量を求めることができます。
テンシオメーター内の水は定期的に補給が必要です。

3.平板型

センサーに電圧をかけ、センサー内のコンデンサーの充電時間から静電容量を測定します。
水の誘電率は土壌鉱物や空気と比較して非常に高いため、土壌の含水量の変動を誘電率より高精度に測定可能です。
また、様々な性質の土壌や塩分濃度の高い土壌においても、土壌に応じたキャリブレーション式を用いる事により体積含水率を求めることが可能です。
静電容量が比誘電率の影響を受けることから、比誘電率を測定するTDR土壌水分計などのセンサーと同様に土壌の誘電特性が測定され、土壌水分量が計測できます。
また設置が非常に簡便であるとともに、メンテナンスフリーで消費電力も小さいため無人観測にも最適です。

4.電極棒式

1970年代にカナダで開発された土壌水分計で、誘電特性から土壌水分量を測定する方法の元祖になります。
土壌に埋設された金属ロッドにマイクロ波を流し、金属ロッドの根元から先端までマイクロ波が通過するのにかかる時間を測定することで土壌の比誘電率を測定します。
もしくは センサー基部にあるエポキシで覆われた回路機器から発振する電磁波が、ステンレスロッドの先端から反射して帰還すると次の発振を行いますので、発振間隔を測定し、その時間 (msec)に補正式を与えて土壌水分を求めます。
土壌中の有機物や粘土質は精度に大きく影響します。

 

一部 論文、ネットの文章を引用させていただきました。

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